小説「デリュージョン×2」その1

身を引き裂かれる青空だ

飛行機は爆撃を受けながら身をよじりながら飛行する

窓際の席で僕はお空を眺めている

眺めながらも呟いている

「明日は、いつも、そのままで、テクノが丁寧に歩き出す」

黒づくめの制服、生徒の大半はパン食のあとの眠りの小五郎

妖怪ぬりかべというあだ名の痩せこけた先生は自分の内臓に向かって喋っているようだ

先生の肌は浅黒く、今から死にます30秒前だ

僕は自分の空想で意識のドッジボール

穏やかな気温、穏やかな空気

腐ったような弁当の匂い、投げつけられる紙飛行機

僕は割と嫌いじゃない

嫌いじゃないのに炒めつけられた心のチャーハン

嫌いじゃない世界

どうでも良いノストラダムスの大予言

世界が滅亡しなかった世界線で生き残る僕ら

ふわっと揺れるカーテンがまた好きでもある

カーテンは僕の心で揺れている

僕の家は森の中にある

森の中のログハウス

そこにはたくさんのお姉ちゃんたちと妹たちがいるのだ

彼女らの名前はなんとなくしかわからない

理想の女の子たちだ

なんだっけ長濱ねるみたいな子がいたりするんだ

確かにいるのだ

僕が玄関を開けるなり抱きついてくる女たち

これこれ、僕は逃げないよ

あ、でもこれが生きてるってことなのかもしれない

柔らかな電球の光

そこで外に出てみる

辺りは静まり帰っている

遠くには雲を突き抜ける超高層ビル

そこまでちょっと行ってみるか

10分ほど歩くと通りに出た

その通りに人は少ししかいない

みんなバーガーキングへ出かけたようだ

ソフトバンクのクーポンがきてたもん

僕はお尻をキュッと締めてカフェ「ガルガンチェア」に入る

肛門の筋肉を鍛えると身体の姿勢がよくなることを思い出したからね

カランコロンとロボットが言う

R2−D2という昔流行った映画のマスコットらしい

「いらっしゃい」

ヒゲのマスターは今日もダンディ

ダンディから生まれたダンディだ

僕は言ってみる

「おーい、おい、ふあああ、もう、ふああああ、もう」

店主

「ふふ、ふふふ」

なあに、言ってるんだ僕は

この店はジャングルみたいな感じ

とても生暖かい

なんでも下の店では爬虫類を売る店があるからだ

なんかいつでも暖房効かせてないとそいつらが死滅するらしい

そこまでして日本に強制連行されるのか、人間万歳だね

てな訳で僕はその生暖かさがまるで子宮の中にいるようで好きだ

僕はカフェのソファーで横になる

まどろみを夢見て

僕の仕事は、まあ言ってしまえば言えるんだけどなんだか言いたくないよ

だって言ってしまったらなんだか物事がひどく単純になってしまうような気がするんだ

例えば図書館司書だよ、図書館司書ってなんだか凄いファンタジックじゃない?

いや実際図書館司書をこうイメージするとなんかこう女の人がエプロン的なのしててなんかかわいい、恋したくなるような、なんか良いな、なんか良い雰囲気だな、みたいなそんな感じがするんだよ

でもこう図書館司書って言葉として文字としてこう客観的に見てみるとさ、ひどく単純に文字、文字で良い感じになってるみたいにしか見えないじゃん

だから良い感じの文字の職業ってなかなか難しいと思うんだよ

時計を見ても見なくても時間は進むのが不思議に思えてくる

近未来が好きだけど近未来がどんなものかを想像すると嫌になる

だってそれが普通になったらそれは近未来じゃなくない?

でも想像だけしてるのも嫌

ああ、もう嫌だ、心がパンクしそう、いやしてるって

辛いから常に隣に女が欲しい

チュッチュしながら仕事がしたいって思うんだ

そしたらそれって天国じゃない?天国ってあると思う

それが天国じゃん

少なくともしばしの間はそうだよね?

しばしのあとはもう知らない

けれどそのしばし後を考えるしか僕が生きる道はないわけで

チュッチュが飽きた後のしばし後の仕事をするしか僕ができることはないわけで

チュッチュが存在しない世界の話で僕の生きる世界は

だからとりあえずまた机に向かったり、とか、そういうことになるわけで

だからとりあえず京都だ

京都なのだ、僕は理想は

京都って文字にしても素晴らしいな

京都感あるよ

図書館司書はなんかわざとらしいのに京都はいつでもそこに京都がありのまま宿っているね

僕の職業もう京都で良い?

ああ、京都になりてえええええ

落ち葉、綺麗な落ち葉、雨で湿った綺麗な落ち葉

踏みしめる、音がいい

匂い、草原をギュッと丸めたような匂い

包まれながら寺の美しさに心引かれながら

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