夢か現実か分からない卒業式の中での話、合唱曲「旅立ちの日に」を添えて

高校最後の日

旅立ちの日にが聞こえる

みんなの合唱

僕は一人教室で机の中のものを出したり漁ったりして身支度を整える

これは夢なのだろうかいや現実なのかもしれない

なぜ僕一人しかクラスにいないのだろうか

皆、拓磨、一哉、佐々木、どこに行ったのだろう

僕一人残して

外は桜吹雪、恐ろしいほどに

僕を窓の外に誘うかのように

僕は何をしているんだろう

いったいここで何をしているんだろう

僕は、何を、して、いるんだろう

僕は、何を、しているんだろう

旅立ちの日にだと思しき何か卒業式の曲がどこかからループしている

僕は自分自身の何者でもない残りカスに閉じ込められている

僕の体は何をしたくて動いている?

皆はなぜあんなに無垢な顔をして過ごしている

彼女はどこに行ったんだろう

僕といつか一緒になるはずだったあの子はどこに行ったんだろう

僕は今、何をしているんだろう

薄ぼやけのピンクの景色に皆が何かしらの夢を持っているような

僕は、もう、なぜ、僕だけ?

動けない

心が重すぎて前に進めない

僕は今、どこを向いているのだろう

何か急速に停滞した空気が僕の中でループしている

とりあえず彼女を探さないといけない

そんな気がしたけど

僕は、僕だけ取り残されている

周りの景色だけが何かに向かって進んでいく

僕はとりあえずクラスから出ることにした

廊下にいるあの子に告白してみよう

夢ならあっという間に告白できるはずだ

失敗しても成功してもどうでも良いんだもの

仮に現実だったとしても告白なんていう行為は現実世界で広く一般的に行われている行為なのだから何の問題もない

背の高い目の大きいあの女の子は職員室に入ろうとしている

僕は

「あの」

と言った

彼女の大きな二つの目がこちらを向く

「ちょっと来てください」

僕は彼女の腕を引っ張る

僕のクラスの前あたりの大きな柱あたりで言った

「好きです」

「え」

あ、言えてしまった、ここまで躊躇なく言えてしまうということはやっぱりこれは夢の可能性99%だわ

彼女は丸い目を更に丸くさせ驚く

「僕はあなたのことが好きなんです」

ほら、ここまで言えてしまったもん

彼女の頰が少し赤らむ

にしても僕の言葉にこのように人をどうにかさせる効能があったのか、でもどうせこれ、ダメなやつだ

「いきなりだからビックリしちゃって」

彼女は言う

僕は思う、どうせダメなんだろ?

彼女は言う

「え、それって、付き合うってことだよね?」

そういうことだよ

「そうだね」

「・・・うーん、でももし付き合ってそれが周りにバレたら面倒だよね、ほら仕事にも関係してきちゃうしさ」

「ああ、確かにね」

あ、仕事って言った

ここ学校なのに仕事って言った

やっぱりこれは夢だったか

はあああああああああああああああああああああああああああああああ

やっぱりこれは夢だったのかよ

はあああああああああああああああああああ

クソが、もう、何回目だよこの夢

彼女は消える

俺もうどうすれば良いんだよ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です